ブランブルグから北上し、三姉妹川のそれぞれを渡れば、少しずつ気温が下がります。
遠くに見える山々の中にもオロスを象徴する黒の色が見えてきますね。
現在は、黄金の道沿いにある宿場町に逗留中です。
タルヴィさんはすぶりにいくといって出かけていきました。
見かけによらず、というのは失礼なんでしょうけど、ストイックな人です。
改めて、旅人として歩いてみると、冒険の時とは感覚が違うことに気づきます。
一応ブランブルグの宿を引き払ってもいますし、「帰るところがない」という状態は、やっぱりどこかふわふわとしますね。
デラシネ、根無し草。
決してそういうわけでもないんですけど、自分の「家」が今どこにもない、という事実は、私には新鮮みたいです。
タルヴィさんに聞いてみると、彼女は特にそんなことは思っていないみたいでした。
もともと「先生」という人と大陸を巡ってたみたいですし、私とは根っこの感覚が違うのでしょう。
あ。
もしかすると、「先生」が ── 人が根っこになっているのでしょうか?
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