冒険者としての日々を記録に残す。 故郷ではけして無能ではなかった。 だが、組織の1員として動くのと、常に自分で考え最善を選び続けるのは大きな違いがあることを痛感した。 剣の加護に縋るべきであったのに、加護のことそのものを忘れるなどなんというマヌケか。 周りを見るに、私も含め冒険者を始めたての者の中には細かな判断ミスをする者は珍しくないらしい。 しかし、幸運は常にあるものではない。 そのままであれば、遠からず死を迎えるのだろう。 多くを学ばねばならない。 いつか、この手に始まりの剣を手にする為にも。