最初は戸惑っていた。
僕に憧れて冒険者になったという女の人が現れた。
誰かの背中を追っていたばかりの僕が、いつの間にか追われる方になっていた。
実感なんてなかった。
ある時、彼女が冒険に失敗して腕を失った。
僕のせいだと思い詰めた僕の背中を、あの人達が厳しく叩いて来た。
お陰で立ち上がれたような気がした。
でも、冒険者としての彼女の姿は嘘だった。
悪意で嘘をつかれるのは嫌いだ。僕だってその時は彼女を許せなかった。
でも何故か、あの子の背負った過去に引っ掛かりを感じて、憎みきれなかった。
それに、最期に聞かせてくれたあの言葉は、
見せてくれた笑顔は……
あれは彼女自身が望んだ最期だから、僕はもう戸惑ってばかりいられない。
葬送の火に焼かれたあの子の魂が、巡り巡ってまた僕の所に来るのなら、
その時は、ちゃんと迎えてあげたい。
追記
改めて僕の過去を姉さんに聞いてみたけど、やっぱり知らないって言われた。
……いつか、しっかり聞く覚悟を決めて、また聞いてみたい。 |