魔働機文明語で書かれている
これを読んでいる私へ。貴方の憎悪はまだ生きていますか?そうであるならばこれを読む必要はありません。衝動のままに突き進みなさい。心当たりがないのならページをめくってください。
エルテリアを見ていればもう理解しているかもしれません。ディーノ様が死にました。下手人は放蕩者の石蜥蜴、バジリスクです。これを読んでどう思いましたか?悲しいでしょう、苦しいでしょう、絶望したでしょう。
なら殺しなさい。バジリスク共を皆殺しにしなさい。ディーノ様なら敵討ちなどどうでも良い、負けた自分が悪いとおっしゃるでしょう。それでもかまいません。その胸に渦巻く感情を奴らにぶつけなさい。これは復讐ではありません。ただの八つ当たりです――――それでも、この苦しみを紛らわすにはそうするしかありません。
そろそろ失った感情を取り戻した頃でしょう。次のページからはここに至るまでの大まかな経緯が書いてあります。また、バジリスクに関する情報を得たら随時記載しておきます。
ある日、城にバジリスクが押し入りディーノ様と交戦、奴はディーノ様を石に変えて連れ去りました。私はディーノ様をお救いするために人族の領域で冒険者になることにしました。庇護者を失ったエウェル様と行くところのないアドルフォさんも一緒です。程なくしてエルテリアが力を失い、ディーノ様の死を知りました。そして私はバジリスクを皆殺しにすることにしたのです。なので当初の予定通り冒険者になりました。所属しているのは炭焼きひよこ亭という冒険者の店です。百の剣亭のほうが通りがよいでしょう。
今は城から持ち出した金目の物を売り払って購入したその家に三人で暮らしています。アドルフォさんはあまり気にしなくても構いませんが、エウェル様のお世話はちゃんとするように。 |