休養の日々。私の独白。 : 最新の投稿
フレイヤ  (投稿時キャラデータ) サカト 2021-05-27

(http://www.piyosword.com/sw2game/view/8370)の出来事の後の事である
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 私が救出されてから、かれこれ1週間が過ぎ去ろうとしています。
 体の調子が良くなるまで、神殿で休養とリハビリの毎日です。……傷口は塞がっていますが、体を思うように動かせていない。何度も何度も無理やり思い出させられた記憶が、私の心を弱らせているのか、周りが少しばかり怖く感じる毎日です。完全に立ち直れるのにまだ時間はかかるでしょう。

 ……あの日、私を助けてくれたのは、アルさん、アポロさん、アカネさん、エリスさん、グレカーレさんの5人。アルさんはご自身が誘拐されたとき、私を含む当時のPTで助け出したことがありました。…まさか、今度は私が助けられる番になるなんて…。本当に感謝してもしきれません。…ありがとうございました。

 休養とリハビリの毎日ですが、アルさんとアカネさんは毎日のように私のお見舞いに来てくれています。アルさんには両腕一杯に抱きしめられ、アカネさんには何度も、小さい手で頭を撫でられました。…その度に、私は嬉しさのあまり泣き崩れてばかりでした。……抱きしめられたり撫でられたりする時の温もり、何時ぶりなのだろう…。もう、覚えて……、あれ?、私には撫でられたり抱きしめられたりされた事なんてあったっけ?私の親や贔屓にしてくれた大人たちからはそんなことしてくれた事は無かった……。
 ………抱きしめられたり撫でられたりする時のあの温もり、あんなに暖かいものだったのですね…。もう一度言いますが、…嬉しかった。

 アポロさんとエリスさんも何度かお見舞いに来てくれました。アポロさんはアルさんに連れられてきたのでしたっけ?……何か、私に隠していそうな気まずい表情をしていらしましたが……。エリスさんは、私にアップルパイの差し入れを持ってきてくれましたね。甘くてさっぱりとした味で美味しかったです。今度、また作ってくれる機会がありましたら私も呼んでくださいね。……お見舞いに来てくれた時の何気ない会話も、私にとって楽しみの一つです。

 グレカーレさんは、あれからどうしているかは分かりませんが恐らく冒険者稼業や神殿での活動に励んでいるのでしょう。…これからも頑張ってくださいね。

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 ここからは、私の独白となります。誰かが見るかもしれませんが、書かないといけない気がしたので書くことにしました。

 私は、小さい頃から神殿と両親に「ライフォス様に祝福されし天使」として持ち上げられました。3歳くらいの、人の言葉(交易共通語やダグニア地方語)を話せるようになったころには、神殿の修道院で神官としての教育を受ける毎日でした。修道院内や神殿内でも私がヴァルキリーということもあってなのか、周りから話しかけられたり助けられたり贔屓にされたり、と注目を集めてばかりでした。
 
 ……5歳のとき、その頃からでしょうか?私は、私を見る大人たちの視線や裏でコソコソと私の噂話をする同い年の修道女・神官見習い、年上神官たちの事が怖くなってきました。私が「ヴァルキリー」だから贔屓にされたり、嫉妬されたりと、誰もが私自身の事を見ていなくて、………まるで、私が「ヴァルキリー」であることによる「何か」を欲しがっている気がして……。怖くて、一度両親の元に戻ったことがありましたがそこからが私にとっての「悪夢・トラウマ」の始まりでした。
 
 両親に当時の私自身が抱えていた違和感・嫌な雰囲気を伝えたら、………両親の目と態度は急変しました。その目の色は『私が「ヴァルキリー」であることによる「何か」を欲しがっている』人たちのソレと同じものでした。………その日からでしょうか。私が、両親の思い通りの行動をしないと殴ってきたり、物置や地下に閉じ込めたりするようになったのは。……私は、それも嫌になって、ただただ人のいう事を聞くだけの「人形」を演じるようになりました。……あの国に、私の味方は存在しなかったのです。……13歳になるまでは。

 10歳のとき、私はライフォス神殿・教団のとある政治家に「政治道具・看板娘」として贔屓・支援されるようになりました。……後で分かったことですが、その政治家は私との両親の間で「私」に関する何らかの取引があったようです。……年月が経つにつれて両親の生活環境が段々と裕福になっていったのは、その取引によるものだったのでしょう。ですが、その恩恵を私が受けることはありませんでした。11歳の時、「人間性」を取り戻すかのように、贔屓にされていた政治家に逆らうようになりましたが、結局、私はその度に「神殿の地下に閉じ込められる」などといった「罰」を与えてくるようになり、それが親にバレると更に「罰」を与えられ……。また、私は「人形」に戻るだけでした。

 転機が訪れたのは、13歳の時、私はとある同い年の人間の女神官見習いと出会いました。その女神官見習いの名前は「アイリス・クラーク」。アイリスはサッパリとしており、神官としてどうなのか?と思うような軽いノリの性格をしていました。私にとって、故郷でのただ1人の友人・恩人です。
……最初は私はアイリスを信用すらしていませんでしたが、アイリスは私に対して、無理やりながらも話をしてくるようになってきました。時には「アンタ、その死んだような目と顔じゃ勿体ないよ。せっかくの可愛さなんだし、元気出してこーよ。……悩みがあるなら私が聞いてあげるからさ。なんなら、私の実家に行こうか?私の両親、露店商人だからこの国の外の事にも理解があるし、アンタの味方になってくれるよ?」と言って無理やりアイリスの実家に連れていかれたりもしました。彼女の言った通り、彼女の家族は私の味方をしてくれました。悩みを聞いてくれたり、一緒に悩みの解決を手伝ってくれたり、温かく美味しい食事を提供してくれたり、……私にとっての故郷での安らぎ・癒しでした。そうしていくうちに、アイリスと友人関係になっていきました。

 ……そういえば、アイリスの家族から私の両親が国中でどうしているのか聞いたこともありましたが、彼女の家族曰く「”ライフォス神に選ばれ、祝福されている一族”と名乗るようになり、『狂信者』のようにライフォス神以外の神を信仰している人々を見下し、不敬な発言ばかりを繰り出している。」と言っていました。更には「この国特有のライフォス至上主義が膨れ上がり、選民思想が更に傾いた傲慢な人達であり、『ライフォス様こそ、神々の王!ライフォス様こそ絶対的な存在!私たちは、そのライフォス様に祝福された一族だ!その証拠が、私たちの娘、フレイヤである!』とか、何とか常日頃から言っている」とまで言われました。……その発言が気になってこっそり両親の様子を見てみましたが、……アイリスの両親の言っていた通りの事をしでかしていました。……私が故郷から逃げ出そうと考え始めたのも、ちょうどこのあたりからでした。

 そして、15歳の時、私はアイリスに「この国から逃げ出したい」と相談するようになり、アイリスと彼女の家族もその事に協力してくれました。彼女の家族からは逃走経路と移動手段の馬車、通行証、更には逃走に必要なガメルと装備まで用意してもらい、アイリスとは別れを告げて無事に故郷から逃げ出すことに成功しました。

 それからというもの、私は故郷から出来るだけ遠ざかるように逃げまわり、16歳になった頃にアルフレイム大陸行きの船と出会い、その船に乗り込んで、ここアルフレイム大陸に渡ってきました。アルフレイム大陸で最初に行きついた先が、ブランブルグだったのです。
そこから先はブランブルグで冒険者をやるようになり、今に至ります。

私の独白はこれで終わりです。

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