なんか巷で日誌?が流行ってるらしい。
俺も書いてみようと思って筆をとってみたがいざ書こうとすると何を書こうか迷うな。
この日誌は、俺が生きているうちに妹たちに会えなかった時、誰かに渡してもらって妹たちに届けてもらうことにしようかな。
…とはいえ、沢山の冒険をしてきたから、今更何か書いてみる、といっても何が思いつくとかは特にないんだけどさ…。
…あぁ、そういえば昨日、初めて仲間が死ぬ瞬間を見てしまったな…。
蘇生に立ち会うのも、初めてだった。
俺もいつかあぁなるのかと思うと、少し怖くなったけど、
別に高みを目指す気持ちがなくなったわけじゃあなかった。
生きていれば、強くなれば、有名になれば、
きっと、妹たちに会えるんじゃないかと、より一層強く思ったかな。
ま、魔神討伐なんて初めてだったし。
それだけ手ごわかったってことなんだけどさ。
…神様って、あんなに強いんだなぁ。
それに比べて俺はどうだろう。
まだまだ未熟な冒険者に過ぎないんだろう。
もっと上には上がいる。
…きっと、諸先輩方はもっともっと過酷な冒険をして、もっともっと研鑽を積んで、
はじめてもっと高くてすごい景色が見えるんだろう。
俺はいつかその高みに立てるだろうか?
途方もない夢だと誰かに笑われるだろうか?
…いいや、誰もが笑ったとしても、
俺が探してる家族たちは、きっと背中を押してくれるはずだ。
そういえば、家の別荘、ブランブルグの三姉妹川の近くにあるんだよな。
確か魔物の住処になってるはずだけど…。
長年放置された別荘だからな、俺が生まれてからは一回も行ったことないし。
そういえばあそこ、母さんの遺品残ってるんじゃなかったっけ…。 |